この記事では登録販売者試験で出題される、細かい部分の知識を問う問題を独自にまとめたものです。
勉強していて理解度は深まってきたものの、いまいち点数が伸びていない、なんてことはないでしょうか?
点数を伸ばすには、細かい部分の理解が必要となります。今回は胃の薬について、細かい部分を問う問題を5つ抜粋しました。
ぜひマスターして、自信をつけてください。
動画の方が理解しやすい方は、動画をご覧ください。
①味覚や嗅覚に対する刺激以外の作用による健胃成分として、乾燥酵母やカルニチン塩化物が配合されている場合がある。
こちらは正です。
過去問では「刺激以外の」という部分を取って出題されることがあるので、問題文を1語1句確認する必要があります。
このような感じです。
「味覚や嗅覚に対する健胃成分として、乾燥酵母やカルニチン塩化物が配合されている場合がある。」
味覚や嗅覚に対する健胃成分は、オウバク、オウレン、センブリ、ゲンチアナ、リュウタン、ケイヒ、 ユウタン等です。
乾燥酵母やカルニチン塩化物とは区別して覚える必要があります。
②メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、胃酸の中和作用のほか、胃粘膜にゼラチン状の皮膜を形成して保護する作用もあるとされる。
こちらは正です。
制酸成分は多く存在しますが、「胃粘膜にゼラチン状の皮膜を形成して保護する作用もある」のは、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムのみです。
制酸成分まとめ
i) 炭酸水素ナトリウム(重曹)
ii) 乾燥水酸化アルミニウムゲル、ジヒドロキシアルミニウムモノアセテート等のアルミニウムを含む成分
iii) ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等のマグネシウムを含む成分
iv) 合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等のアルミニウムとマグネシウムの両方を含む成分
v) 沈降炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等のカルシウムを含む成分
③胃液分泌を抑制することを目的として、ヒスタミンの働きを抑える成分が配合された医薬品は、H1ブロッカーと呼ばれている。
こちらは誤です。
正しくは
H1ブロッカーではなく、H2ブロッカーである
です。
抗ヒスタミン成分が作用する受容体を問う問題です。
こちらの内容は、ほとんど出題されないので、豆知識として覚えておくので大丈夫です。
抗ヒスタミン成分は、ヒスタミン受容体にヒスタミンが結合するのをブロックするというのが作用のメカニズムです。
ヒスタミン受容体にはH1受容体(エイチワン)とH2受容体(エイチツー)があります。
各受容体の役割は以下の通りです。
・H1受容体はアレルギーに関与
・H2受容体は胃酸分泌に関与
例題では胃酸分泌に関して聞いているので、関係するのはH2受容体となります。
一般用医薬品にはガスター10というのがありますが、ガスターはH2ブロッカーとも呼ばれます。
胃のH2受容体をブロックすることで、胃酸の出過ぎを抑えるということです。
④ピレンゼピン塩酸塩は、消化管の運動にはほとんど影響を与えずに胃液の分泌を抑える作用を示すとされる。
こちらは正です。
こちらは頻出の成分なので必ず押さえておく必要があります。
他にも抗コリン成分はありますが、体の部位によって作用の仕方が異なるというのがポイントです。
胃腸鎮痛鎮痙薬の範囲で抗コリン成分が多く出題されますが、それらの作用は
消化管の運動を抑制 + 胃酸分泌抑制
となっているので、分けて覚える必要があります。
ちなみに胃腸鎮痛鎮痙薬で出題される抗コリン成分は以下の通りです。成分の名前を見て、抗コリン成分であるとわかるようにしておきましょう。
・メチルベナクチジウム臭化物
・ブチルスコポラミン臭化物
・メチルオクタトロピン臭化物
・ジサイクロミン塩酸塩、
・オキシフェンサイクリミン塩酸塩
・チキジウム臭化物
・生薬成分として、ロートエキス
⑤制酸成分は、かぜ薬や解熱鎮痛薬にも配合されている。
こちらは正です。
制酸成分はかぜ薬や解熱鎮痛薬の範囲でも出題されることがあります。
解熱鎮痛薬の成分である非ステロイド性抗炎症成分を服用すると、胃に負担がかかるので、負担を軽減するために、制酸成分が配合されています。
以上が、「細かい部分を問う問題 胃の薬」の解説でした。細かい部分を1つずつ覚えていくことで、点数アップや自信につながります。ぜひ勉強にお役立てください
試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)(厚生労働省)
コメント