この記事では登録販売者試験で出題される、細かい部分の知識を問う問題を独自にまとめたものです。
勉強していて理解度は深まってきたものの、いまいち点数が伸びていない、なんてことはないでしょうか?
点数を伸ばすには、細かい部分の理解が必要となります。今回は歯や口中に用いる薬について、
・ 歯痛・歯槽膿漏薬
・ 口内炎用薬
細かい部分を問う問題を5つ抜粋しました。
ぜひマスターして、自信をつけてください。
動画の方が理解しやすい方は、動画をご覧ください。
①歯周炎(歯槽膿漏)は、歯肉炎が重症化して、炎症が歯周組織全体に広がることによって起こる。
こちらは正です。
歯周炎(歯槽膿漏)がどういうものかを問う問題です。
歯周炎(歯槽膿漏)と歯槽膿漏薬について確認をしていきます。
歯周炎(歯槽膿漏):
歯と歯肉の境目にある溝(歯肉溝)では細菌が繁殖しやすく、歯肉に炎症を起こすことがある。歯肉炎が重症化して、炎症が歯周組織全体に広がると歯周炎(歯槽膿漏)となる。
歯槽膿漏薬:
歯肉炎、歯槽膿漏の諸症状(歯肉からの出血や膿、歯肉の腫れ、むずがゆさ、口臭、口腔内の粘り等)の緩和を目的とする医薬品である。患部局所に適用する外用薬のほか、内服で用いる歯槽膿漏薬もある。内服薬は、抗炎症成分、ビタミン成分等が配合されたもので、外用薬と併せて用いると効果的である。
②オイゲノールは、齲蝕(むし歯)を生じた部分における細菌の繁殖を抑えることを目的として用いられる。
こちらは正です。
オイゲノールは殺菌消毒成分です。
登録販売者試験では殺菌消毒成分は多く出題されますが、オイゲノールは「歯や口中に用いる薬」でしか出題されません。見落としがちな成分なので、確認しておきましょう。オイゲノールはどの菌に効くなどは出題されないため、覚えやすいです。
③炎症を起こした歯周組織の修復を助け、また、毛細血管を強化して炎症による腫れや出血を抑える効果を期待して、アスコルビン酸が配合されている場合がある。
こちらは正です。
ビタミンの配合目的を問う問題です。
歯や口中に用いる薬で出題されるビタミン成分は2種類です。
・ビタミンC(アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム等)
・ビタミンE(トコフェロールコハク酸エステルカルシウム、トコフェロール酢酸エステル等)
ビタミンC(アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム等):
コラーゲン代謝を改善して炎症を起こした歯周組織の修復を助け、また、毛細血管を強化して炎症による腫れや出血を抑える効果を期待
ビタミンE(トコフェロールコハク酸エステルカルシウム、トコフェロール酢酸エステル等):
歯周組織の血行を促す効果を期待。
特にビタミンCは説明が長くて覚えにくいですが、コラーゲンに関する作用は「歯や口中に用いる薬」の範囲で出題されるので、覚えておく必要があります。
④茵蔯蒿湯は、口内炎等に用いられる漢方処方製剤であるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では不向きとされる。
こちらは正です。
登録販売者試験において、口内炎の範囲で出題される漢方薬は茵蔯蒿湯のみです。出題される頻度は少ないですが、茵蔯蒿湯は「鼻炎用内服薬」の範囲でも問われることがあるので、要チェックです。
茵蔯蒿湯はダイオウを含むことも併せて覚えておきましょう!
⑤歯の齲蝕のほか、第三大臼歯(親知らず)の伸長による痛みにも外用歯痛薬は効果がある。
こちらは誤です。
正しくは
第三大臼歯(親知らず)の伸長による痛みの場合、外用歯痛薬の効果は期待できない
です。
こちらは歯痛の受診勧奨に関する問題です。
歯痛の受診勧奨についてポイントをまとめましたので、ご確認ください。
・歯痛は歯の齲蝕等に対する生体の警告信号であり、歯痛薬の使用によって一時的に和らげることができたとしても、その繰り返しによってやがて歯髄組織が壊死し、状態の悪化につながるおそれがある。
・歯の齲蝕のほか、第三大臼歯(親知らず)の伸長による痛みも、歯痛として認識されることがある。第三大臼歯(親知らず)の伸長による痛みの場合、歯痛薬(外用)の効果は期待できない。
・歯痛は基本的に歯科診療を受けることが優先され、歯痛薬による対処は最小限(旅行中や夜間など、歯科診療を受けることが困難な場合)にとどめる必要がある。
・歯周病(歯肉炎・歯槽膿漏)については、状態が軽いうちは自己治療が可能とされるが、日頃の十分な歯磨き等によって歯肉溝での細菌の繁殖を抑えることが重要である。
・歯槽膿漏薬の使用により症状を抑えられても、しばらくすると症状が繰り返し現れるような場合には、医療機関を受診するなどの対応が必要である。
以上が、「細かい部分を問う問題 歯や口中に用いる薬」の解説でした。細かい部分を1つずつ覚えていくことで、点数アップや自信につながります。ぜひ勉強にお役立てください。
試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)(厚生労働省)
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