この記事では、登録販売者試験に出題される生薬のうち、基原にラテン語名が含まれるものをまとめていきます。
生薬は日本語だけで書かれているものとラテン語名が入っているものがあって、ややこしいですよね?
さらにラテン語名はアルファベットと異なり、発音がわからない。これだけで、この範囲を捨ててしまう人もいるのではないでしょうか?
実は、ラテン語かそうでないかを覚えておくと解ける問題もあります。ラテン語の部分をすべて覚える必要はなく、基原にラテン語が含まれているかだけ覚えれば大丈夫です。
効能も併せて合わせて記載していますので、ぜひ勉強にお役立てください。
試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)(厚生労働省)登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和6年4月)登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和6年4月)について紹介しています。
生薬名 | 基原 | 効能 |
ジリュウ | フトミミズ科のPheretima aspergillum Perrier 又はその近縁動物の内部を除いたものを基原とする生薬 | 感冒時の解熱 |
チョウトウコウ | アカネ科のカギカズラ、Uncaria sinensis Haviland又はUncaria macrophylla Wallich の通例とげを基原とする生薬 | 神経の興奮・緊張緩和 |
ホップ | ヨーロッパ南部から西アジアを原産とするアサ科のホップ Humulus lupulus L.の成熟した球果状の果穂が薬用部位 | 神経の興奮・緊張緩和 |
カンゾウ | マメ科の Glycyrrhiza uralensisFischer又は Glycyrrhiza glabra Linnéの根及びストロンで、ときには周皮を除いたもの(皮去りカンゾウ)を基原とする生薬 | ・グリチルリチン酸による抗炎症作用 ・気道粘膜からの粘液分泌を促す等の作用 ※小児の疳を適応症とする生薬製剤では主として健胃作用を期待して用いられる |
マオウ | マオウ科のEphedra sinica Stapf、Ephedra intermedia Schrenk et C. A. Meyer又はEphedra equisetina Bungeの地上茎を基原とする生薬 | 気管支拡張のほか、 発汗促進、利尿等の作用 |
ユウタン (熊胆) | クマ科のUrsus arctos Linné又はその他近縁動物の胆汁を乾燥したものを基原とする生薬 | 苦味による健胃作用、消化補助成分として配合される場合もある |
オウバク | ミカン科のキハダ又はPhellodendron chinense Schneiderの周皮を除いた樹皮を基原とする生薬 | 苦味による健胃作用、収斂作用、抗炎症、血行促進等の作用 |
オウレン | キンポウゲ科のオウレン、Coptis chinensis Franchet、Coptis deltoidea C.Y. Cheng et Hsiao又は Coptis teeta Wallichの根をほとんど除いた根茎を基原とする生薬 | 苦味による健胃作用、収斂作用 |
ゲンチアナ | リンドウ科の Gentiana lutea Linnéの根及び根茎を基原とする生薬 | 苦味による健胃作用 |
コウボク | モクレン科のホオノキ、Magnolia officinalis Rehder et Wilson又は Magnolia officinalis Rehder et Wilson var. biloba Rehder et Wilsonの樹皮を基原とする生薬 | 香りによる健胃作用 (芳香性健胃生薬) |
ケイヒ | クスノキ科のCinnamomum cassia J. Preslの樹皮又は周皮の一部を除いた樹皮を基原とする生薬 | 香りによる健胃作用 (芳香性健胃生薬) |
ケツメイシ | マメ科のエビスグサ又は Cassia tora Linné の種子を基原とする生薬 | 整腸作用 |
アセンヤク | アカネ科の Uncaria gambir Roxburgh の葉及び若枝から得た水製乾燥エキスを基原とする生薬 | 整腸作用 |
センナ | マメ科の Cassia angustifolia Vahl 又は Cassia acutifolia Delile の小葉を基原とする生薬(抽出成分:センノシド) | 大腸刺激による瀉下作用 |
ダイオウ | タデ科の Rheum palmatum Linné、Rheum tanguticum Maximowicz、Rheum officinale Baillon、Rheum coreanum Nakai 又はそれらの種間雑種の、通例、根茎を基原とする生薬 | 大腸刺激による瀉下作用 |
アロエ | ユリ科のAloe ferox Miller又はこれとAloe africana Miller又はAloe spicata Bakerとの種間雑種の葉から得た液汁を乾燥したものを基原とする生薬 | 大腸刺激による瀉下作用 センノシドに類似の物質を 含む |
エンゴサク | ケシ科の Corydalis turtschaninovii Besser forma yanhusuo Y. H. Chou et C. C. Hsuの塊茎を、通例、湯通ししたものを基原とする生薬 | 鎮痛鎮痙作用 |
ロートエキス | ロートコン(ナス科のハシリドコロ、Scopolia carniolica Jacquin 又は Scopolia parviflora Nakai の根茎及び根を基原とする生薬の抽出物 | 抗コリン成分 胃腸鎮痛鎮痙薬 |
ロクジョウ | シカ科の Cervus nippon Temminck、Cervus elaphus Linné、Cervus canadensis Erxleben 又はその他同属動物の雄鹿の角化していない幼角を基原とする生薬 | 強心作用の他、強壮、血行促進等の作用 |
サンキライ | ユリ科の Smilax glabra Roxburghの塊茎を基原とする生薬 | 利尿作用 |
シンイ | モクレン科の Magnolia biondii Pampanini、ハクモクレン、Magnolia prengeriPampanini、タムシバ又はコブシの蕾を基原とする生薬 | 鎮静、鎮痛の作用 |
オリブ油 | モクセイ科の Olea europaea Linné の果実を圧搾して得た脂肪油 | 角質層の水分保持量を高め、皮膚の乾燥を改善する |
インヨウカク | メギ科のキバナイカリソウ、イカリソウ、Epimedium brevicornu Maximowicz、Epimedium wushanense T. S. Ying、ホザキイカリソウ又はトキワイカリソウの地上部を基原とする生薬 | 強壮、血行促進、強精(性機能の亢進)等の作用 |
オウギ | マメ科のキバナオウギ又は Astragalus mongholicus Bungeの根を基原とする生薬 | 主に強壮作用 |
ボウフウ | セリ科のSaposhnikovia divaricata Schischkin の根及び根茎 | 発汗、解熱、鎮痛、鎮痙等の作用 |
ショウマ | キンポウゲ科のCimicifuga dahurica Maximowicz、Cimicifuga heracleifolia Komarov、Cimicifuga foetida Linné又はサラシナショウマの根茎 | 発汗、解熱、解毒、消炎等の作用 |
以上が登録販売者試験のラテン語名で表記される生薬についての解説でした。ぜひ、勉強にご活用ください!
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