登録販売者試験 第3章 細かい部分を問う過去問 皮膚に用いる薬①

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第3章

この記事では登録販売者試験で出題される、細かい部分の知識を問う問題を独自にまとめたものです。

勉強していて理解度は深まってきたものの、いまいち点数が伸びていない、なんてことはないでしょうか?

点数を伸ばすには、細かい部分の理解が必要となります。今回は皮膚に用いる薬

きず口等の殺菌消毒成分
痒み、腫れ、痛み等を抑える配合成分

について、細かい部分を問う問題を8つ抜粋しました。

ぜひマスターして、自信をつけてください。

動画の方が理解しやすい方は、動画をご覧ください。

①スプレー剤やエアゾール剤は、至近距離から同じ部位に5秒以上連続して噴霧することが望ましい。

こちらはです。

正しくは

スプレー剤やエアゾール剤は患部から十分離して噴霧し、また、連続して噴霧する時間は3秒以内とすることが望ましい

です。

スプレー剤やエアゾール剤は、凍傷を起こすことがあるので、噴霧する時間が長すぎてはいけません。

試験問題の手引きには、秒数まで明確に書かれているので、覚える側からすると細かい部分ですが、覚えておく必要があります。

②ヨードチンキは、化膿している部位に使用された場合、かえって症状を悪化させるおそれがある。

こちらはです。

この部分はかなりややこしいので注意が必要です。多くの人が混乱するのは、消毒薬の役割とヨードチンキの役割が異なるからです。

消毒薬:
殺菌消毒薬は、日常の生活において生じる、比較的小さなきり傷、擦り傷、掻き傷等の創傷面の化膿
を防止すること、又は手指・皮膚の消毒を目的として使用される一般用医薬品です。
火傷(熱傷)や化膿した創傷面の消毒、口腔内の殺菌・消毒などが目的です。

一方、

ヨードチンキとは:
ヨウ素及びヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたもので、皮膚刺激性が強く、粘膜(口唇等)や目の周りへの使用は避ける必要がある。また、化膿している部位では、かえって症状を悪化させるおそれがある。

消毒薬の目的には「化膿した創傷面の消毒」というのがありますが、
ヨードチンキではむしろ「化膿している部位ではだめ」と書いてあるわけです。

細かい部分まで理解できていないと、この問題は難しいです。

③ステロイド性抗炎症成分は、末梢組織の免疫機能を増強させる作用を示し、細菌、真菌、ウイルス等による皮膚感染時に使用される。

こちらはです。

正しくは

末梢組織の免疫機能を低下させる作用を示し、細菌、真菌、ウイルス等による皮膚感染の副作用が現れることがある

です。

ステロイドの成分の特徴は頻出事項なので、必ず覚える必要があります。覚えるポイントをまとめましたので、ご覧ください。

①副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)の持つ抗炎症作用に着目し、それと共通する化学構造 (ステロイド骨格を持つ化合物が人工的に合成され、抗炎症成分(ステロイド性抗炎症成分)として用いられる。

②主なステロイド性抗炎症成分としては、
デキサメタゾン
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル
プレドニゾロン酢酸エステル
ヒドロコルチゾン
ヒドロコルチゾン酪酸エステル
ヒドロコルチゾン酢酸エステル等がある。

外用の場合はいずれも末梢組織(患部局所)における炎症を抑える作用を示し、特に、痒み発赤などの皮膚症状を抑えることを目的として用いられる。

好ましくない作用として末梢組織の免疫機能を低下させる作用も示し、細菌、真菌、ウイルス等による皮膚感染(みずむし・たむし等の白癬症、にきび、化膿症状)や持続的な刺激感の副作用が現れることがある。水痘(水疱瘡)、みずむし、たむし等又は化膿している患部については症状を悪化させるおそれがあり、使用を避ける必要がある。

広範囲に生じた皮膚症状や、慢性の湿疹・皮膚炎を対象とするものではない。短期間の使用であっても、患部が広範囲にわたっている人では、適用部位を限る等、過度の使用を避けるべきである。

ステロイド性抗炎症成分をコルチゾンに換算して1g又は1mL 中 0.025mg を超えて含有する製品では、特に長期連用を避ける必要がある。→この部分は第5章でも出題される!

④ウフェナマートは、炎症を生じた組織に働いて、細胞膜の安定化、活性酸素の生成抑制などの作用により、抗炎症作用を示すと考えられている。

こちらはです。

ウフェナマートは非ステロイド性抗炎症成分(NSAIDs)に分類される成分です。解熱鎮痛薬のイブプロフェン等と同じ系統ですが、作用が異なるので区別して、覚える必要があります。

ウフェナマート:
皮膚の炎症によるほてりや痒み等の緩和を目的として用いられる成分です。
末梢組織(患部局所)におけるプロスタグランジンの産生を抑える作用については必ずしも明らかにされておらず、炎症を生じた組織に働いて、細胞膜の安定化、活性酸素の生成抑制などの作用により、抗炎症作用を示すと考えられています。
湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも等による皮膚症状の緩和を目的として用いられます。

⑤インドメタシンを主薬とする外皮用薬には、11歳未満の小児向けの製品はない。

こちらはです。

年齢制限を問う問題です。
この範囲でも、使用できる年齢について押さえておく必要があります。

小児への使用については有効性・安全性が確認されておらず、
・インドメタシンを主薬とする外皮用薬:11歳未満の小児(インドメタシン含量1%の貼付剤では15歳未満の小児。
・その他の成分を主薬とする外用鎮痛薬:15歳未満の小児向けの製品はない。

その他の成分とは:
ケトプロフェン、フェルビナク、ピロキシカム、ジクロフェナクナトリウムです。

小児向けの医薬品を選ぶときに成分によって、使用できる年齢が異なることを知っておく必要があります。

⑥ケトプロフェンが配合された外皮用薬を使用している間及び使用後は、当分の間、塗布部が紫外線に当たるのを避ける必要がある。

こちらはです。

ケトプロフェンの注意事項を問う問題です。

皮膚に用いる薬で出題される非ステロイド性抗炎症成分のうち、ケトプロフェンは注意事項が多いので気を付けなければなりません。ケトプロフェンの覚えるポイントをまとめましたので、ご確認ください。

ケトプロフェンの注意事項
チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラート(いずれも医療用医薬品の有効成分)又はオキシベンゾン、オクトクリレン (化粧品や医薬部外品に紫外線吸収剤として配合される化合物)のような物質でアレルギー感作された人は、それらと分子の化学構造が類似しているケトプロ フェンでもアレルギーを起こすおそれが大きいことから、これらの成分でアレルギー症状(発疹
・発赤、痒み、かぶれ等)を起こしたことがある人については、使用を避けることとされている。

紫外線により、使用中又は使用後しばらくしてから重篤な光線過敏症が現れることがあるため、ケトプロフェンが配合された外皮用薬を使用している間及び使用後も当分の間は、天候にかかわらず、戸外活動を避けるとともに、日常の外出時も塗布部を衣服、サポーター等で覆い、紫外線に当たるのを避ける必要がある。ただし、ラップフィルム等の通気性の悪いもので覆うことは適当でない。

⑦イブプロフェンの誘導体であるイブプロフェンピコノールは、吹き出物に伴う皮膚の発赤や腫れを抑えるほか、鎮痛作用も期待して配合される。

こちらはです。

正しくは

イブプロフェンピコノールは、鎮痛作用はほとんど期待されない

です。

イブプロフェンと名前に付いているので、鎮痛作用がありそうですが、ないというのがひっかけポイントです。「誘導体」とは化学構造の一部を変えたものです。

イブプロフェンの構造の一部を変えたものがイブプロフェンピコノールというわけです。医薬品では化学構造が少し変わるだけで、作用が変わることがあります。今回の例題がその一例です。

⑧ヘパリン類似物質は、血液凝固を抑える働きがあるため、出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑症など)の診断を受けた人では、使用を避ける必要がある。

こちらはです。

血行促進成分の副作用を問う問題です。

ヘパリン類似物質には血行促進作用以外にも、抗炎症作用や保湿作用があります。
また、ヘパリン類似物質には、血液凝固を抑える働きがあるため、出血しやすい人、出血が止まりにくい人、出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑症など)の診断を受けた人では、使用を避ける必要があります。

ヘパリン類似物質は「肌の角質化、かさつき等を改善する配合成分」の範囲でも保湿成分として、出題されるので、覚えておく必要があります。

以上が、「細かい部分を問う問題 皮膚に用いる薬①」の解説でした。細かい部分を1つずつ覚えていくことで、点数アップや自信につながります。ぜひ勉強にお役立てください。

https://www.mhlw.go.jp/content/000956952.pdf

試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)(厚生労働省)

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