この記事では登録販売者試験で出題される、細かい部分の知識を問う問題を独自にまとめたものです。
勉強していて理解度は深まってきたものの、いまいち点数が伸びていない、なんてことはないでしょうか?
点数を伸ばすには、細かい部分の理解が必要となります。今回は感覚器官の目について、細かい部分を問う問題を8つ抜粋しました。
目の範囲では「膜」とつく用語が多いのでそれぞれの違いを理解しましょう。
・角膜
・強膜
・結膜
・網膜です。
ぜひマスターして、自信をつけてください。
①眼球は、頭蓋骨のくぼみ(眼窩)に収まっている球形の器官で、外側の正面前方付近は、 黒色の角膜が覆い、その他の部分は強膜という乳白色の比較的丈夫な結合組織が覆っている。
こちらは誤です。
正しくは
外側の正面前方付近は、透明な角膜が覆う
です。
角膜の色を問う問題です。
問題文をしっかり読まないと見落としてしまう、かなり細かい問題です。こういった問題も出題されるので注意してください。
②雪眼炎は、眼球が紫外線を含む光に長時間曝されることにより、主に硝子体の上皮が損傷を起こした状態である。
こちらは誤です。
正しくは
硝子体ではなく、角膜である
です。
雪眼炎は出題頻度は低いですが、過去に出題されているため、要チェックです。
③角膜や水晶体には血管が通っておらず、房水によって栄養分や酸素が供給される。
こちらは正です。
房水の役割を問う問題です。
この部分では以下の文もよく出題されるので併せて確認してください。
・角膜と水晶体の間は、組織液(房水)で満たされ、眼内に一定の圧(眼圧)を生じさせている。
・水晶体の前には虹彩があり、瞳孔を散大・縮小させて眼球内に入る光の量を調節している。
・水晶体から網膜までの眼球内は、硝子体という透明のゼリー状組織で満たされている。
次の④と⑤は関連する問題なので、まとめて解説します。
④角膜に射し込んだ光は、角膜、房水、水晶体、硝子体を透過しながら屈折して網膜に焦点を結ぶが、主に硝子体の厚みを変化させることによって、遠近の焦点調節が行われている。
こちらは誤です。
正しくは
主に水晶体の厚みを変化させることによって、遠近の焦点調節が行われている
です。
⑤水晶体は、その周りを囲んでいる毛様体の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときには扁平になり、遠くの物を見るときには丸く厚みが増す。
こちらは誤です。
正しくは
近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平になる
です。
④では水晶体と硝子体(しょうしたい又はがらすたいと読む)を入れ替えて出題されます。それぞれの位置関係を理解することで、ひっかからなくなります。
⑤の水晶体の厚みの問題では、虫眼鏡を連想するとわかりやすいです。虫眼鏡のレンズは分厚いですね。近くを見るときはレンズが厚くなるということです。
⑥結膜の充血では白目の部分だけでなく眼瞼の裏側も赤くなるが、強膜が充血したときは眼瞼の裏側は赤くならない。
こちらは正です。
目の充血が起きた際に
・結膜の充血
・強膜の充血
なのかが重要です。具体的に診断はできなくても、知識として押さえておきましょう。
結膜のポイントをまとめましたので、ご確認ください。
結膜:
・目の充血は血管が拡張して赤く見える状態であるが、結膜の充血では白目の部分だけでなく眼瞼
の裏側も赤くなる。
・強膜が充血したときは、眼瞼の裏側は赤くならず、強膜自体が乳白色であるため、白目の部分がピンク味を帯びる。
⑦涙器は、涙液を分泌する涙腺と、涙液を鼻腔に導出する涙道からなる。涙腺は下眼瞼の裏側にある分泌腺で、血漿から涙液を産生する。
こちらは誤です。
正しくは
涙腺は上眼瞼の裏側にある分泌腺
です。
こちらの問題はよく読まないと、間違ってしまいます。問題を解く際に、一語一句確認する癖をつけましょう。
涙器のポイントをまとめましたので、ご確認ください。
涙器:
・涙液を分泌する涙腺と、涙液を鼻腔に導出する涙道からなる。
・涙腺は上眼瞼の裏側にある分泌腺で、血漿から涙液を産生する。
・涙液の主な働き
(1) ゴミやほこり等の異物や刺激性の化学物質が目に入ったときに、それらを洗い流す
(2) 角膜に酸素や栄養分を供給する
(3) 角膜や結膜で生じた老廃物を洗い流す
(4) 目が鮮明な視覚情報を得られるよう角膜表面を滑らかに保つ
(5) リゾチーム(※)、免疫グロブリン等を含み、角膜や結膜を感染から防御する
・涙液は起きている間は絶えず分泌されており、目頭の内側にある小さな孔(涙点)から涙道に流れこんでいる。
・涙液分泌がほとんどない睡眠中や、涙液の働きが悪くなったときには、滞留した老廃物に粘液や脂分が混じって眼脂(目やに)となる。
※リゾチームには細菌の細胞壁を分解する酵素作用のほか、消炎作用などもあり、生体防御因子として働く。唾液以外に、鼻汁や涙液にも含まれている。
⑧眼球を上下左右斜めの各方向に向けるため、6本の眼筋が眼球側面の網膜につながっている。
こちらは誤です。
正しくは
網膜ではなく、強膜である
です。
眼筋のポイントをまとめましたので、ご確認ください。
眼筋:
・眼球の動きが少なく、眼球を同じ位置に長時間支持していると眼筋が疲労する。
・目を使う作業を続けると、眼筋の疲労のほか、遠近の焦点調節を行っている毛様体の疲労や、周期的まばたきが少なくなって涙液の供給不足等を生じ、目のかすみや充血、痛み等の症状(疲れ目)が起こる。こうした生理的な目の疲れではなく、メガネやコンタクトレンズが合っていなかったり、神経性の疲労(ストレス)、睡眠不足、栄養不良等が要因となって、慢性的な目の疲れに肩こり、頭痛等の全身症状を伴う場合を眼精疲労という。
今回の記事で扱っていないですが、重要な部分を以下にまとめましたので、ご確認ください。
網膜:
・網膜には光を受容する細胞(視細胞)が密集していて、視細胞が受容した光の情報は網膜内の神経細胞を介して神経線維に伝えられる。
・網膜の神経線維は眼球の後方で束になり、視神経となる。
視細胞:
視細胞には、色を識別する細胞と、わずかな光でも敏感に反応する細胞の二種類がある。後者が光を感じる反応にはビタミンAが不可欠であるため、ビタミンAが不足すると夜間視力の低下(夜盲症)を生じる。
眼瞼(まぶたのこと):
むくみ(浮腫)等、全身的な体調不良(薬の副作用を含む)の症状が現れやすい部位である。
以上が、「細かい部分を問う問題 目、鼻、耳などの感覚器官ー目」の解説でした。細かい部分を1つずつ覚えていくことで、点数アップや自信につながります。ぜひ勉強にお役立てください。
試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)(厚生労働省)
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