ひっかけ問題集めてみた【第2章】②

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第2章

この記事では、過去に出題されたひっかけ問題を5問説明していきます。ひっかけ問題に対応できるかどうかで合否を分けることがありますので、ぜひご活用していただけたら嬉しいです。

①多くの医薬品の有効成分は血液中で血漿しょうタンパク質と複合体を形成しており、血漿タンパク質との結合は、緩やかかつ不可逆的である。

答えはです。

正しくは、

血漿タンパク質との結合は、速やかかつ可逆的で、一つ一つの分子はそれぞれ結合と解離を繰り返している

となります。

可逆と不可逆は登録販売者試験でよくひっかけてくるポイントです。

可逆というのは、「元に戻れる」という意味です。医薬品の有効成分と血しょうタンパク質はくっついても、離れられるということです。

これがもし、「不可逆」だと、一度くっついたら一生離れないことになってしまいます。医薬品の有効成分が一生離れないということは、ずっと体内に存在してしまうことになるので、おかしいと判断できます。

②タンパク質などの大分子は血液中から脳の組織へ移行しにくいが、イオン化した小分子は血液中から脳の組織へ移行しやすい。

答えはです。

正しくは、

タンパク質などの大分子や小分子でもイオン化した物質は血液中から脳の組織へ移行しにくい

となります。

この部分は、覚えてしまうのが手っ取り早いです。

脳は体の器官でも特に重要な部位です。そのため、脳に入っても問題ないかを「血液脳関門」というシステムで制御しています。どのようなルールで脳内に入れるものと入れないものを見分けているかというと、今回の答えである、

タンパク質などの大分子や小分子でもイオン化した物質は血液中から脳の組織へ移行しにくい。

というルールに基づいて、脳内に入る物質を判断しています。

③循環血液中で複合体を形成している有効成分の分子は、細胞膜の外側から内側への移動の際は、トランスポーターによって輸送される。

答えはです。

正しくは、

トランスポーターによって輸送されない

となります。

トランスポーターというのは、かなりややこしいワードですね。簡単に説明すると、「細胞外にある物質を細胞の中に取り込むもの」です。

問題文にある「複合体を形成している有効成分の分子」というのは、血しょうタンパク質とくっついている医薬品の有効成分のことです。血しょうタンパク質とくっついていると、トランスポーターによって細胞内に運ばれません。

もっと詳しく説明したいところですが、あまりに専門的になるので、もっと詳しく知りたい方は、薬剤師国家試験のテキストを本屋さんで立ち読みしてみてください。

④坐剤の有効成分が直腸上部から吸収された場合、肝臓で代謝を受けないため、全身へ分布する有効成分の量は減少しない。

答えはです。

正しくは、

坐剤であっても、直腸上部から有効成分が吸収されると、肝臓で代謝を受け、全身へ分布する有効成分の量が少なくなってしまう。

となります。

個人的には第2章の問題の中で1,2を争う難易度の高い問題だと思っています。

坐剤を使った場合、直腸から医薬品が吸収されていきますが、

直腸の上部(体の内側)から吸収された場合
直腸の下部(肛門に近い方)から吸収された場合

この2つの違いで直接血液中に入るか、肝臓を経由するかが変わります。

今回の問題文にある、「直腸上部」から吸収された場合は、肝臓を通過するので、代謝を受けるというのを覚えておいてください!

⑤間質性肺炎は、気管支又は肺胞が細菌に感染して炎症を生じたものである。

答えはです

正しくは、

間質性肺炎は、肺の中で肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織(間質)が炎症を起こしたものである

となります。

通常の肺炎と間質性肺炎の違いを問う問題です。こちらの問題は「局所に現れる副作用」の範囲で頻出の問題なので、ひっかからないように準備する必要があります。

肺胞の間質がわかりづらいので、添付のイラストをご覧いただき、勉強にお役立てください。

以上がひっかけ問題集めてみた【第2章】②です。第2章の他のひっかけ問題や他の章の問題も載せていきますので、勉強の参考にしてもらえたら嬉しいです。

https://www.mhlw.go.jp/content/000956952.pdf

試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)(厚生労働省)

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