この記事では登録販売者試験で出題される、細かい部分の知識を問う問題を独自にまとめたものです。
勉強していて理解度は深まってきたものの、いまいち点数が伸びていない、なんてことはないでしょうか?
点数を伸ばすには、細かい部分の理解が必要となります。今回は骨格系について、細かい部分を問う問題を7つ抜粋しました。
ぜひマスターして、自信をつけてください。
①骨は体の器官のうち最も硬い組織の一つであり、その基本構造は、骨質、骨膜、骨髄、関節軟骨の4組織からなる。
こちらは正です。
骨は問題文にあるように4つに分かれます。
この部分は言葉だけだとわかりにくいのでイラストを見ながら覚えましょう。
次の②と③は関連する問題なので、まとめて解説します。
②骨には造血機能があり、骨髄で産生される造血幹細胞から赤血球、白血球、血小板が分化する。
こちらは正です。
③骨髄(主として胸骨、肋骨、脊椎、骨盤、大腿骨など)には、造血機能がある。
こちらは正です。
問題②で骨には、造血機能があるとありますが、その知識だけでは対応できない問題が③です。
どこの骨に造血機能があるのかというのも併せて覚えると、細かい部分を問う問題にも対応ができます。
④骨は生きた組織であり、身体の成長が停止するまで破壊(骨吸収)と修復(骨形成)が行われている。
こちらは誤です。
正しくは
成長が停止した後も一生を通じて破壊(骨吸収)と修復(骨形成)が行われている
です。
骨吸収と骨形成とが互いに密接な連絡を保ちながら進行し、これが繰り返されることで骨の新陳代謝が行われています。骨吸収が何らかの要因で優位になってしまうと、骨粗しょう症のリスクが上がってしまいます。
骨の新陳代謝は一生を通じて行われていますが、問題では成長をともに停止するなどと出題されるので、ひっかからないように注意してください。
⑤骨組織を構成する無機質は、炭酸カルシウムやリン酸カルシウム等の石灰質からなり、通常それらのカルシウムが骨から溶け出す量とカルシウムが骨に沈着する量はほぼ同量であり、一定の骨密度が保たれる。
こちらは正です。
こちらは問題④と関係しています。
・骨から溶け出すカルシウムの量
・骨に沈着するカルシウムの量
が同量になるように骨吸収と骨形成が繰り返されています。
カルシウムの働きは第3章で出題されるので、併せて確認しておきましょう。
・カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素であり、筋肉の収縮、血液凝固、神経機能にも関与する。
・カルシウム主薬製剤は、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム等が主薬として配合された製剤で、虚弱体質、腺病質における骨歯の発育促進、妊娠・授乳期の骨歯の脆弱予防に用いられる。
・カルシウムの過剰症としては、高カルシウム血症が知られている。
・カルシウムを含む成分は、胃腸薬等、カルシウムの補給を目的としない医薬品においても配合されており、併用によりカルシウムの過剰摂取を生じることのないよう留意される必要がある。
※腺病質:貧血等になりやすい虚弱・無力体質。
⑥骨組織を構成する無機質は、骨に硬さを与え、有機質(タンパク質及び多糖体)は骨の強靭さを保つ。
こちらは正です。
こちらの文は「硬さ」と「強靭さ」を入れ替えて出題されるので、注意が必要です。
⑦骨の関節面は弾力性に富む柔らかな骨髄に覆われ、これが衝撃を和らげ、関節の動きを滑らかにしている。
こちらは誤です。
正しくは
骨の関節面は弾力性に富む柔らかな軟骨層(関節軟骨)に覆われている
です。
関節に関する問題では問題⑦以外に、
「関節周囲を包む膜(滑膜)は軟骨の働きを助け、靱帯は骨を連結し、関節部を補強している。」
という部分が出題されることもあるので、併せて確認をしておいてください。
以上が、「細かい部分を問う問題 骨格系」の解説でした。細かい部分を1つずつ覚えていくことで、点数アップや自信につながります。ぜひ勉強にお役立てください。
試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)(厚生労働省)
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