この記事では登録販売者試験で出題される、細かい部分の知識を問う問題を独自にまとめたものです。
勉強していて理解度は深まってきたものの、いまいち点数が伸びていない、なんてことはないでしょうか?
点数を伸ばすには、細かい部分の理解が必要となります。今回は外皮系について、細かい部分を問う問題を6つ抜粋しました。
ぜひマスターして、自信をつけてください。
①と②は関連する問題なので、②のあとにまとめて解説を入れています。
①皮膚は、表皮、真皮、皮下組織からなり、このうち皮下組織は、角質細胞と細胞間脂質で構成されている。
こちらは誤です。
正しくは
表皮にある角質層は、角質細胞と細胞間脂質で構成されている
です。
②角質層は、細胞膜が丈夫な線維性タンパク質(セラミド)でできた角質細胞とケラチン(リン脂質の一種)を主成分とする細胞間脂質で構成されており、皮膚のバリア機能を担っている。
こちらは誤です。
正しくは
角質層は、細胞膜が丈夫な線維性のタンパク質(ケラチン)でできた板状の角質細胞と、セラミド(リン脂質の一種)を主成分とする細胞間脂質で構成されている
です。
①と②皮膚の分類を問う問題です。
角質層が表皮に属すという部分は頻出で、ひっかけ問題が出題されるので必ずマスターしてください。
皮膚の分類について重要な部分をまとめたので、ご確認ください。
・皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層構造からなる。
・表皮は最も外側にある角質層と生きた表皮細胞の層に分けられる。
・角質層は、細胞膜が丈夫な線維性のタンパク質(ケラチン)でできた板状の角質細胞と、セラミド(リン脂質の一種)を主成分とする細胞間脂質で構成されており、皮膚のバリア機能を担っている。
・皮膚に物理的な刺激が繰り返されると角質層が肥厚して、たこやうおのめができる。
→たこやうおのめの医薬品については第3章の皮膚に用いる薬で出題されます。
③メラニン色素は、皮下組織にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生され、太陽光に含まれる紫外線から皮膚組織を防護する役割がある。
こちらは誤です。
正しくは
メラニン色素は、表皮の最下層にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生される
です。
メラニン色素が皮膚のどの部分で作られるかを問う問題です。
メラニン色素の役割が「紫外線から皮膚組織を守ること」なので、皮膚の最も外側である表皮にあると覚えれば間違いにくいです。また、メラニンの産生を抑えるビタミンとしてビタミンCがあります。こちらは第3章で出題されます。
④と⑤は関連する問題なのでまとめて解説をします。
④表皮は、線維芽細胞とその細胞で産生された線維性のタンパク質からなる結合組織の層で、皮膚の弾力と強さを与えている。
こちらは誤です。
正しくは
表皮ではなく、真皮の記述
です。
⑤真皮は最も外側にある角質層と生きた表皮細胞の層に分けられる。また、真皮には、毛細血管や知覚神経の末端が通っている。
こちらは誤です。
正しくは
表皮は最も外側にある角質層と生きた表皮細胞の層に分けられる
です。
④と⑤のように真皮も表皮と言葉を入れ替えて出題されます。登録販売者試験では、似ている言葉はひっかけ問題になりやすいので、問題を解く際にまず疑いましょう。
真皮について、覚えるべきポイントをまとめましたので、ご確認ください。
・真皮は、線維芽細胞とその細胞で産生された線維性のタンパク質(コラーゲン、フィブリリン、エラスチン等)からなる結合組織の層で、皮膚の弾力と強さを与えている。
・真皮には、毛細血管や知覚神経の末端が通っている。
⑥汗腺には、アポクリン腺とエクリン腺の2種類があり、アポクリン腺は手のひらなど毛根がないところも含め全身に分布する。
こちらは誤です。
エクリン腺は手のひらなど毛根がないところも含め全身に分布する。
アポクリン腺は、腋窩(わきのした)などの毛根部に分布する。
アポクリン腺とエクリン腺の入れ替え問題も頻出です。体臭の原因となるのはアポクリン腺と覚えておきましょう。
汗腺で覚えるべき部分をまとめましたのでご確認ください。
・汗腺には、腋窩(わきのした)などの毛根部に分布するアポクリン腺(体臭腺)と、手のひらなど毛根がないところも含め全身に分布するエクリン腺の二種類がある。
・汗はエクリン腺から分泌され、体温調節のための発汗は全身の皮膚に生じるが、精神的緊張による発汗は手のひらや足底、脇の下、顔面などの限られた皮膚に生じる。
以上が、「細かい部分を問う問題 外皮系」の解説でした。細かい部分を1つずつ覚えていくことで、点数アップや自信につながります。ぜひ勉強にお役立てください。
試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)(厚生労働省)
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