この記事では、登録販売者試験第2章の「体の局所に現れる副作用」の攻略ポイントについて解説していきます。あれもこれもと情報を詰め込みすぎず、ポイントのみ記載します。
この範囲で出題されるひっかけ問題はかなり細かい部分を聞いてくるので、曖昧に覚えていると試験当日に点が取れないなんてこともあります。
ポイントを押さえて、当日の得点源にしましょう!
こちらの範囲は主に1)から6)に分かれます。それぞれの出題ポイントを確認していきます。
1)消化器系に現れる副作用
2)呼吸器系に現れる副作用
3)循環器系に現れる副作用
4)泌尿器系に現れる副作用(他の記事で詳しく説明します)
5)感覚器系に現れる副作用(他の記事で詳しく説明します)
6)皮膚に現れる副作用
消化器系に現れる副作用
この範囲では、消化性潰瘍とイレウス様症状(腸閉塞様症状)の違いを押さえましょう!
消化性潰瘍は、胃や十二指腸の粘膜組織が傷害されて、粘膜組織の一部が粘膜筋板を超えて欠損する状態。
粘膜筋板という言葉がイメージしづらいです。イラストをご覧ください。
胃は胃酸が体内に漏れ出さないように複数の層でできています。この層のうち、粘膜筋板を超えて炎症が広がってしまっている状態が消化性潰瘍です。
イレウスとは腸内容物の通過が阻害された状態をいう。腸管自体は閉塞していなくても、 医薬品の作用によって腸管運動が麻痺して腸内容物の通過が妨げられると、激しい腹痛やガス排出(おなら)の停止、嘔吐、腹部膨満感を伴う著しい便秘が現れる。
要するに、腸が詰まってしまっているという状態です。症状に嘔吐とありますが、下から出せないと逆流が起きてしまい、嘔吐を起こすことがあるということです。
イレウスは第3章で出てくる抗コリン成分の副作用で起きる場合があるので、抗コリン成分の作用と結びつけて覚えることで、ひっかけ問題に対処可能です。
このように消化性潰瘍とイレウスは全く別物なのですが、主語を入れ替えて出題されることがあるので注意が必要です。
呼吸器系に現れる副作用
この範囲では、間質性肺炎と通常の肺炎の違いを押さえましょう!
通常の肺炎は、気管支又は肺胞が細菌に感染して炎症を生じたもの。
間質性肺炎は肺の中で肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織(間質)が炎症を起こしたもの。
試験では、詳しい肺炎の違いまでは問われませんが、上に書いた違いは把握しておく必要があります。
間質というのがイメージしづらいので、下のイラストをご参照ください。
間質性肺炎の詳しい内容は、第3章、第5章で多く出題されるので、その内容も合わせて頭に入れるのが効率的です。
循環器系に現れる副作用
この範囲では、うっ血性心不全、不整脈の違いを押さえましょう!
うっ血性心不全とは、全身が必要とする量の血液を心臓から送り出すことができなくなり、肺に血液が貯留して、種々の症状を示す疾患。
不整脈とは、心筋の自動性や興奮伝導の異常が原因で心臓の拍動リズムが乱れる病態。
このようにそれぞれを見てみると全く別物ですが、主語を変えてひっかけてくる問題がよく出題されます。
また、うっ血性心不全についてはもう1つポイントがあります。それは、肺に血液が貯留するという部分です。
心臓から全身に血液を送り出すときの流れを、復習しましょう。全身に血液を送り出すのは心臓の左心室です。血液が左心室の前にいるのはどこでしょうか?
それは肺です。肺でガス交換を終えた血液は心臓に戻ってきて、全身に送り出されます。心不全によって、血液を心臓から送り出せなくなると、血液の渋滞が起きます。
高速道路みたいですね。
渋滞は、肺まで続いてしまうのです。そのため、肺に血液が貯留することになります。
皮膚に現れる副作用
この範囲、では接触性皮膚炎、光線過敏症、薬疹の違いを押さえましょう!
試験問題の手引きに書かれている説明はややこしいので、簡単に3つをまとめます。
接触性皮膚炎
化学物質や金属等に皮膚が反応して、強い痒みを伴う発疹・発赤などが起きる。湿布を貼った部分が痒くなるなどといったものがあてはまります。
光線過敏症
湿布を貼った部分に日光が当たり、かぶれが生じる。
薬疹
医薬品によって引き起こされるアレルギー反応の一種で、発疹・発赤等の皮膚症状を呈する場合をいう。→上の2つは貼り薬などの外用薬で起きることが多いが、薬疹は飲み薬等でも起きる。
上に書いた以外で、覚えておくポイントは以下の通りです。
●接触皮膚炎は医薬品が触れた皮膚の部分にのみ生じ、正常な皮膚との境界がはっきりしているのが特徴である。アレルギー性皮膚炎の場合は、発症部位は医薬品の接触部位に限定されない。
●光線過敏症はその症状は医薬品が触れた部分だけでなく、全身へ広がって重篤化する場合がある。貼付剤の場合は剥がした後でも発症することがある。
以上が登録販売者試験第2章の局所に現れる副作用攻略のポイントでした。この範囲は、ポイントを押さえるだけで、点が伸びてくきます。ポイント以外で、よく出題される部分は過去問を解きながらマスターしていきましょう!
試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)(厚生労働省)
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