登録販売者試験 カフェインまとめ(3章・5章)

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章をまたいで理解

カフェインは日常生活でもよく耳にする成分で食品にも含まれていますが、登録販売者試験も出題されます。

主に第3章の「眠気を防ぐ薬」と第5章の「してはいけないこと」、「相談すること」で重要な成分です。

第3章と第5章で出題されるポイントを章をまたいで説明することで理解度アップを目指します。
この記事で学べる内容は以下の通りです。

●カフェインの薬理作用を理解できる。
●カフェインの注意事項を理解できる。
●第5章のカフェインの出題傾向を理解できる。

カフェインの薬理作用

第3章の眠気を防ぐ薬(眠気防止薬)について解説します。

眠気防止薬は、眠気や倦怠感を除去することを目的とした医薬品であり、主な有効成分としてカフェイン(無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等を含む)が配合されています。

カフェインの働き、主な副作用

カフェインは、脳に軽い興奮状態を引き起こし、一時的に眠気や倦怠感を抑える効果があります。脳が過剰に興奮すると、副作用として振戦(震え)、めまい、不安、不眠、頭痛等を生じることがあります。

また、カフェインの眠気防止に関連しない作用もあります。

腎臓におけるナトリウムイオン(同時に水分)の再吸収抑制があり、尿量の増加(利尿)をもたらします。

胃液分泌亢進作用
副作用として胃腸障害(食欲不振、悪心・嘔吐)が現れることがあります。胃酸過多の人や胃潰瘍のある人は、服用を避ける必要があります。

心筋を興奮させる作用
副作用として動悸が現れることがあります。心臓病のある人は、服用を避ける必要があります。

依存の形成
カフェインには、作用は弱いながら反復摂取により依存を形成するという性質があるため、「短期間の服用にとどめ、連用しないこと」という注意喚起がなされています。

カフェインの注意事項

眠気に関連しない薬理作用については、記載しましたが、それ以外にも注意事項があります。

妊娠、授乳への影響

妊娠中の眠気防止薬の使用が胎児に影響を及ぼすか否かは明らかにされていませんが、吸収されて循環血液中に移行したカフェインの一部は、血液胎盤関門を通過して胎児に到達することが知られており、胎児の発達に影響を及ぼす可能性があります。

また、摂取されたカフェインの一部は乳汁中に移行します。乳児は肝臓が未発達なため、カフェインの代謝にはより多くの時間を要します(※)。したがって、授乳中の女性がカフェインを大量に摂取したり、カフェインを連用したりした場合には、乳児の体内にカフェインが蓄積して、頻脈や不眠等を引き起こす可能性がある。
➤授乳期間中はカフェインの総摂取量が継続して多くならないよう留意する必要があります。

(※)カフェインの血中濃度が最高血中濃度の半分に低減するのに要する時間は、通常の成人が約3.5時間であるのに対して、乳児では約80時間と非常に長い。

カフェインの摂取量

眠気防止薬におけるカフェイン

1回摂取量はカフェインとして200mg 
1日摂取量はカフェインとして500mg

上限とされています。

相互作用

カフェインは、他の医薬品(かぜ薬、解熱鎮痛薬、乗物酔い防止薬、滋養強壮保健薬等)や医薬部外品(ビタミン含有保健剤等)、食品(お茶、コーヒー等(※))にも含まれています。

それらが眠気防止薬と同時に摂取されるとカフェインが過量となり、中枢神経系や循環器系等への作用が強く現れるおそれがあります。

なお、かぜ薬やアレルギー用薬などを使用したことによる眠気を抑えるために眠気防止薬を使用するのは適切ではありません。

(※)100g中に含まれるカフェイン量の目安(五訂増補日本食品標準成分表による)
玉露:160mg、煎茶:20mg、ウーロン茶:20mg、紅茶:30mg、コーヒー:60mg

小児用の眠気防止は存在しない

成長ホルモンの分泌を促す脳ホルモンはある種の睡眠物質と同時に分泌され、それにより睡眠が促されます。

特に成長期の小児の発育には睡眠が重要であることから、小児用の眠気防止薬はありません。

眠気防止薬が小・中学生の試験勉強に効果があると誤解されて誤用事故を起こした事例も知られており、15歳未満の小児に使用されることがないよう注意が必要です。

第5章で出題される内容

カフェインに関する部分は第5章の

Ⅰ医薬品の適正使用情報 1)添付文書の読み方の
してはいけないこと」と「相談すること」を問う部分で出題されます。

主な部分を表でまとめたのでご確認ください。

特に気を付けていただきたいのが、

カフェインを含む成分を主薬とする眠気防止薬

となっている部分です。

カフェインはかぜ薬や解熱鎮痛薬などにも配合されていますが、してはいけないことに記載があるのは、眠気防止薬のみです。

これは眠気防止薬に含まれるカフェインの量が多いからです。

この部分を意識しながら過去問を解くようにしてください。

以上が、カフェインのまとめでした。カフェインは食品にも含まれていますが、摂り過ぎに注意が必要です。眠気を防ぐ以外の薬理作用も試験で出題されますので、頭に入れて試験に臨んでください。

https://www.mhlw.go.jp/content/000956952.pdf

試験問題作成に関する手引き(令和5年4月)(厚生労働省)

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